​おはなし

松山市のネコカフェに保護されていた1匹のチビネコ。その場所だけが自分の生きる世界だと信じていたある日、内気な少女アンナと出会い、その家族に引き取られる。「マル」という名前を与えられ、窓から大きな庭を見渡せる家での新しい生活が始まった。

マルが驚いたのが食事のおいしさだった。魚の切り身の入った〝ご飯〟の素晴らしさ。毎日食べて、ゴロゴロして。いつの間にか丸々と太ってしまった。

幸せだったはずのマルの日常は、メスの子ネコ「スリジエ」が家族に仲間入りして一変する。家族の愛はスリジエに注がれ、そのスリジエからいたずらされてばかり。ある夜、我慢の限界に達し、スリジエを組み伏せようとしたマルの耳に響いたのは…。

「コラ!デブ猫!どうしてスリジエをいじめるの!」〝大親友〟だったアンナから放たれたひと言。何よりも悲しそうなアンナの表情がマルの心を締め付けた。

独り窓辺でくるまっていたその夜、突然、窓の向こうにクロネコが現れ、マルにこう告げる。

「気高き者よ。その目で広い世界を見るのです」

言われるままに立ち上がったマル。体の奥底の震えを感じながら、満月に向かってほえ叫んでいた。

「ニャーーーーーン!」

愛媛各地を東へ、西へ。

愛と哀しみの大冒険がいよいよ始まる!

デブ猫ちゃんとなかまたち

さがしにいく

家出

マル

松山市・道後で家ネコとして優雅に暮らしていたが、クロネコのマドンナに導かれるように家を出る。道後温泉のネコたちにマドンナを連れて帰ることを約束し、愛媛県を旅する。

クロネコ
(マドンナ)

マルの夢に出てくるミステリアスなメス猫。額に三日月型のキズがある。実は道後温泉のマドンナであった。

茶ネコ

庭にあらわれる野良猫。窓の外からマルをおくびょうものとバカにしてくる。いじわるな顔をしているが、かつお節に目がない。

道後温泉のなかまたち

​坊ちゃん

暴れん坊だがまっすぐな猫。猫知れずマルを仲間に入れようとしている。

赤シャツ

アンナの家の庭に来た茶ネコ。いつも赤いシャツを着ている。

野だいこ

赤シャツの腰巾着。長いものに巻かれるタイプの猫。「でげす」が口グセ。

キヨ

坊ちゃんを幼い頃から見守っている猫。よい気性の坊ちゃんを心配しつつも、頼もしく感じている。

たぬき

ことなかれ主義の猫。

山嵐

正義感の強い猫。坊ちゃんと気が合い、たまに一緒にまたたびをたしなむ。

うらなり

お人好しで気弱な猫。マドンナに秘かに思いを寄せる。

アンナ一家

アンナ

一人っ子の小学3年生。マルの大親友。そばかすとくせっ毛を気にしている。

スリジエ

マルのあとにもらわれてきたメス猫(血統書つき)人間が好き、いたずらが好き。

パパ

おおらかな性格。ガシガシ頭をなでるのでマルからは嫌われている。

ママ

やさしい性格。最近ダイエットを始めた。

旅先で出会ったなかまたち

四国中央市の三島公園

    内子

四国中央市で出会ったネコ。マドンナとも仲が良かった。その後自分も旅に出て内子町でマルと再会。

トラックのおじさん

西条市(旧東予市)

四国中央市から今治市まで、マルを車にのせてくれたやさしいおじさん。

こうちゃん

今治市

​アンナの幼なじみ。しまなみ海道で借りたレンタサイクルのかごにマルが寝ていた。やさしい男の子。学年で一番足が速い

​漁師のおじさん

伊方町

今治から愛南町まで船に乗っけてくれ、魚までくれる。マルが何も言わなくても全てを理解してくれる。

ヘミングウェイ

愛南町

ネコカフェ時代のマルともだち。小説家にもらわれるも捨てられてしまい愛南町の外泊にたどりつく。気のいいネコ

チビネコ(ジャック)
​ピース

砥部町

動物園で人間に育てられた白クマ。砥部動物園の人気者のおんなのこ。